夏休みの自由研究にいかが？

夏休みですね！　たくさんの宿題が出て、ため息をつく人や取りあえず考えないようにしよう・・・なんて人を想像してしまいます。いろいろな宿題がある中で、困る人が多いものに自由研究があります。自由なんで逆に何をやればいいのかわからない・・・というのが理由です。

ところで、今　南の夜空に赤い星がはっきりと見えます。赤い星？　赤い星と言えば・・・そうです！火星です。赤い星だとよく聞くけど実際に見たことはないという人も多いのではないでしょうか。実は７月３１日に火星が大接近します。肉眼では大きさの違いはわかりませんが、とても明るいのでとてもよく見えるんです。ですから火星を観察するのに都合のよい時なんですよ。

上の図は私がいつも使っているStellariumというソフトで７月３１日の午後９時を表示させたものです。赤い丸をつけたのが火星で、他に土星と木星も見ることができます。黄色の線をつけておきました。土星と木星も肉眼ではっきりと見えますよ。望遠鏡を使わなければ土星の環を見ることはできませんけどね。自宅から南の空がよく見えるのであれば出かけることなく観察できます。家の近所に見晴らしのよい高台でもあれば北の空も見ることができるのでもっとたくさんの星座なども観察できますね。火星の観察日記を自由研究にしてはいかがですか？

火星の観察をおすすめする理由はもうひとつあります。それは今　火星が逆行しているからなんです。

この図は国立天文台のホームページにあったものです。空の星が動くのは学校で習いましたね。毎日の動きと１年かかっての動きがありますが、１年かかっての動きの方で、今　火星はふしぎな動きをしているんです。図の中で「順行」という右から左への矢印があります。他の星は毎日少しずつ矢印の方向に動いていきます。ところが火星だけは逆行といって違う動きをしているんです。これは「惑星」という呼び方が生まれた理由なんです。

火星の大接近だけなら夏休み中ずっと見ていても大きさが変わったなぁ・・・なんてことはありませんが、大きく見える今だからこそ、毎日の位置を記録しやすいんです。観察日記の最後に大接近のこと、逆行のことを調べて書けば立派な自由研究になりますよ。