考えるな！感じろ！

「考えるな！感じろ！」って何となく聞いたことがあるんじゃありませんか？　もう４０年以上前の作品ですが、今でも一部では絶大な人気を誇るカンフー映画「燃えよドラゴン」の中のセリフです。ブルース・リーの代表作ですね。この言葉は武道に限らず勝負ごとに関わる人には人気があるようです。将棋の藤井聡太四段が通っていた将棋教室でも「燃えよドラゴン」をよく見ているらしいです。「考えるな！感じろ！」と似た言葉に「覚えたら忘れろ」というのがあります。全く同じ状況なんてないんだから常に新しいことと考えなければならない、そしてその違いを感じなければいけないということです。

実は勉強においても同じことが言えます。知らないことを学んだ時、はじめのうちは1問１問考えながら問題を解きます。でも、同じような問題ばかりをやっていると　やがて機械的に答えるようになります。これは「考えるな！感じろ！」の第一段階の「考えるな！」なのですが、次の段階「感じろ！」に移行できるかどうかが大切です。

また前に書きましたが、脳は体の器官の中で最もエネルギーを消費します。ですから、少しでも省エネしようとして、同じようなことは考えずに処理するようになります。これは脳の中にそれをするためのネットワークができたということです。しかし、少し違う問題が出てくると間違ってしまうということがおこります。ここが一番肝心なところで「なぜできないんだろう？」と自分で真剣に考えるかどうか、自分で乗り越えるかどうかで結果が変わります。「ハハハ　ミスっちゃったぁ」で済ませているうちは次のステップには進めません。赤ちゃんがなんでもかんでも口に入れて大変なことになることがありますよね。あれは様々な情報を仕入れて、これは大丈夫、これはダメっていうことを学習しているんです。失敗をすることで次の失敗をしないようにしているんですね。失敗をそのままにしていては次のステップには進めません。

これは成績のよい生徒にも当てはまることです。入試の過去問をやることは必要です。しかし、似たような問題はあっても同じ問題は出題されません。見た目が似ている問題ほど気をつけなければいけません。前の問題とは何が違うのか「感じる」ことができるようにならないといけません。勉強と直感は関係がないと思う人が多いと思います。しかし、直感は経験上これまでのものと何か違うと「感じる」力です。考えるのをやめた時に本当にできるようになると言えるかもしれません。