20点勉強と80点勉強

ほとんどの方は聞いたことのない言葉だと思います。教育関係者でも知っている人は少ないかもしれません。
 
生徒でも、保護者の方でも絶対わかると思いますが、あの生徒はクラブ活動もバリバリにやってて、そんなに勉強しているようでもないのに何故か不思議とテストでは良い点を取るという人っていますよね。逆に　いつも参考書などを見ているのに何故かテストでは　それほどの点を取れない人もいますよね。それってなぜなのでしょうか？
 
例えば、小学校の理科で人間の消化器官を学んでいるとしましょう。まず歯で食べ物をかみくだいて細かくし、だ液ででんぷんを分解します。飲みこむと食道が・・・というふうに続いていきます。胃ではこう、腸ではこうと覚えていくと　とても多くのことを覚えなくてはいけません。とうぜん時間もかかります。しかし、それは100点満点のうちの20点くらいにしかならないんです。たいへんな思いをして多くのことを覚えてもテストではたいした点数にはならないんです。それが20点勉強です。
 
では80点勉強とは何なのでしょうか？　すでに消化器官を学習した人は思い出してください。フナの解剖をしませんでしたか？　フナの消化器官はただの管状で人のように胃や腸のような区別はありません。細かいことにとらわれず人間の消化器官も管みたいなもので　口から入った物は消化吸収されて最終的には　お尻から出ていくんだという概念が80点の価値に値するんです。これってちゃんと授業を聴いていれば　覚えることってありませんよね。つまり、授業をきちんと受けて本質を理解することさえできれば　そんなに家で勉強する必要なんてないんです。ですから、かなえ塾では勉強を教えるのではなく、勉強の仕方を教えています。もちろん中学・高校と進めば覚えなければいけないことも多くなっていきますから、本質だけを理解すれば80点を取れるというわけではありません。
 
しかし、なぜ先生は本質だけを教えないのでしょうか？　それは言葉で教えてしまうと生徒は言葉しか覚えないからです。概念を自分でつかみ取ってもらわなければ意味がないんです。これは中学校・高校と進むと、アメーバやウニがどのように食べ物を消化するのかということを習った時に「あ！あれとつながるんだ！」となるわけです。消化器官が進化によって効率がよくなっていくことを理解するために必要な過程なんです。
 
前にも書きましたが、今の教師はそのあたりを理解して教えていない人も多いです。しかし、児童・生徒の発達段階に合わせた指導は必要なことです。今の世の中　効率ばかりが重視されていますが、生徒一人ひとりの状況に合わせた指導が何よりも必要です。かなえ塾ではそれをたいせつに指導しております。