それが教育である

なんだかすごいタイトルです(^^ゞ

本当は「学校で習ったことをすべて忘れてしまった後もなおかつ残るもの、それが教育である」にしたかったのですが、あまりにも長いので最後の部分だけにしたわけです。これはアインシュタインの言葉なのだそうです。インターネット上の様々な記事を集めてくれるサイトで見つけたもののひとつです。内容を読むより前、タイトルを見た段階で私は大きくうなずきました。すっごく納得できる言葉です。さすがはアインシュタインですね。

これに関してはいろいろと書くことを思いつくのですが、先日来　私の頭の中から離れないことだけを書くことにします。どのように書けばよいのかまとまらなくて何だかもやもやしていたんです。それは私が高校生の時の国語の現代文の先生のことなんです。ある時、その先生のコーヒーの楽しみ方を話してくれました。何しろ45年も前の話ですから正確に覚えているわけではありませんが、

曰く　まずは出てきたばかりのコーヒーを熱々の状態で何も入れないブラックで一口。その後　砂糖かミルク(クリーム）のどちらかを入れて　また一口。そして先ほど入れなかった砂糖かミルク、さっき砂糖を入れたのならミルクを、ミルクを入れたのなら砂糖ですね、を入れて一口。そして飲み終わりに近づいた時に、砂糖やミルクをたっぷりと入れる。こうすることで一杯のコーヒーで様々な楽しみ方ができる、というものでした。時間がたつにつれて温度も下がっていきますから、味と温度の関係は一口ごとに変わります。

これはもちろん授業の内容とは直接関係のないことです。単なる雑談だったのか、それとも何かを説明するためのたとえ話だったのかも覚えていません。しかし、半世紀近くたった今でもよく覚えています。そして、コーヒーだけではなく、様々な食べ物を味わう時にはできるだけいろいろな味わい方を楽しむようにしています。

私は学校に勤めていましたし、今は塾で教えています。ですから他の職業に就いた人たちよりは学校で習った知識を使います。当然いろいろと覚えています。しかし、学校時代の思い出ということに関しては雑談だったり、叱られたことだったりします。それが今の私を作ったのだと思います。逆に教師としての私を多くの生徒は忘れてしまっていることでしょう。でも、ふとした時に昔だれかにこんなこと言われたなぁ・・・とか、何度も何度も注意した生徒の行動の中に残っているだけでもよいのではないかと思っています。学校で習ったことをすべて忘れてしまった後もなおかつ残るものは別に私の名前である必要はないのだな、とこれを見て思ったのでした。

かなえ塾
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