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2018/01/13 路傍の石

robou

「わくわく文庫」の1冊です。主人公の吾一少年が様々な苦労を乗り越えて成長する物語です。面白いのですが、明治時代が舞台の話なのでピンとこない人も多いかもしれません。今の時代とは違うことばかりですからね。

 

読んだ人は話がいきなり終わる感じがして不思議に思ったかもしれません。それがまたこの小説の残念なところです。実はこの小説には続きがあります。恋をしたり、連絡が取れなくなってしまった父親と再会したり、会社を作ったり・・・といろいろあって吾一の成長が描かれていきます。

 

あとがきにも書いてありますが、戦争のために思ったことが書けなくなってしまったので作者の山本有三は書くのをあきらめたのだそうです。出版社によってはこの本の続きを読めるものもありますので、え!続きがあるの!と思った人はぜひとも本屋さんや図書館でさがしてみてください。

 

ここからは蛇足です。保護者の方だけ読んでくれればよいと思います。子どもたちは海外の作品なら古いものでも外国なんだから違ってて当たり前だと違和感なく受け入れることができます。日本が舞台でも江戸時代以前のものなら今と違っていても当然だということで素直に受け入れることができます。明治から戦前までの日本を描いた作品が一番難しいですね。名作だからと無理強いすると面白さが理解出来ないままに わけわかんない!っていう思いだけが残るかもしれません。

 

ただ近代日本の作品は言葉が美しい! こういう美しい日本語に接することができるのは作家自身が書いた文章で読めるからです。海外の翻訳ものでは翻訳者の言葉になってしまいますからね。原語で読むのはハードルが高すぎて楽しむところまでいきません。理解さえできないかもしれませんよね。その点で日本人が書いた美しい日本語に接することのできる作品は子どもたちが読む価値があります。有名な作品だからこれを読みなさいということだけはしないでください。はじめのうちは同じような作品ばかり読むかもしれません。しかし、本当に読書が好きになるともっと違ったものも読んでみたい!と思う日がやってきます。最初はライトノベルでもいいじゃないですか、本当に好きならそのライトノベルをもっと理解するためには様々な知識が必要なんだと気付く日が必ずやってきます。その日を待っていただきたいと思います。

 

 

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