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スーパームーンのはなし
最近スーパームーンってよく聞きますよね。私は最初アニメか何かかと思っていました・・・こうまでひんぱんに言われるとありがたみがないなぁ・・・なんて思いつつもつい見てしまいます(^_^;)
先日の1月2日もスーパームーンでした。ただスーパームーンには正式な定義がないようです。天気予報なんかで明日(今日)はスーパームーンです。月が大きく見えますよ、くらいでスーパームーンとは何なのかを知らないままに単に月が大きく見える日だと思っていました。 ところが、スーパームーンの翌日の方が大きく見えることがあったので不思議に思い調べてみました。
月が地球の周りを公転してるのは知ってますよね。その軌道は円ではなく楕円です。少し難しい話になりますが、ここを押さえておかないと話が見えなくなりますので、まずは楕円について考えましょう。
みなさんは楕円の描き方を知ってますか? 楕円コンパスなんていう特殊な道具もありますし、今ならパソコンで簡単に描けますが、例えばノートに楕円を描こうとするとパソコンは使えませんし、特殊な道具は持ってませんよね。そういう場合は2本のピンと糸を使います。段ボールのようなものをページの下にはさむとやりやすいと思いますが、まずは2本のピンをブスっとさします。次に結んで輪にした糸(今回の場合なら20cm程度の糸を使うといいでしょう。折り曲げると9cmになるように輪を作ります)を2本のピンを囲むように置きます。そして鉛筆を常に糸がはるようにして線を描いていくと楕円のできあがりです。ピンを刺した位置のことを焦点といいます。また長い方の半径を長半径、短い方の半径を短半径といいます。
月の長半径は約384400km、短半径は約383800kmです。B5のノートいっぱいに描くとすると18㎝がぎりぎりのサイズですね。細かい計算は省略しますが、ピンとピンを5mmの間隔で刺すことになります。実はこうして描いた楕円は普通のコンパスで18cmの円を描いたのと見分けがつきません。0.3mm以上の太さなら線の中に長い方も短い方もおさまってしまうくらいの違いです。楕円とはいっても とても円に近い楕円なんです。え~~~!じゃあそんなに大きさが違うなんてことはないじゃない!って思いますよね。
実は見え方の違いは距離が変わることで視直径というものが変わるからです。例えば夜空を見上げるといくつもの星が見えます。月が一番大きくて、他の星は小さいですよね。でも実際の大きさは星の方がずっと大きいのはみんな知ってるはずです。月は一番近くにあるので大きく見えるだけです。こういう星など遠くにあるものの見かけの大きさを表す時に使うのが視直径です。月や星を円と考えてそれを円の直径で表したものです。
国立天文台のホームページによると、2018年最大の満月は1月2日の33分30秒角(約0.56度)、最小の満月は7月28日の29分25秒角(約0.49度)だそうです。どちらも1度もない小さな数字ですので図で見た方がわかりやすいですね。またもや国立天文台からお借りしてきました。これを見ると確かに違いますよね。
最大の時つまりスーパームーンの時は最小の時と比べて約14%大きく見え、明るさも約30%明るくなるのだそうです。確かにこれなら違いがわかりそうです。でもスーパームーンの時にしか見ないのであれば違いがわかりませんけどね。大きい時だけじゃなくって小さい時も見なくちゃだめですよ。
ただ、もうひとつ問題?があります。それは地平線からのぼり始めた月は大きく見え、空高くのぼっていくにつれて小さくなるように見えることです。ですから同じ日にスーパームーンを見たとしても見る時間によって感じ方が違ってしまうんです。これは「月の錯視」と言われるのですが、なぜ起こるのかは目の錯覚であること以外は完全にはわかっていないとのことです。
スーパームーンの説明に使われる図のほとんどははっきりした楕円で描かれているので、それを見るとそりゃこんなに違えば大きさが違って見えても当然だと思ってしまいます。でも自分で計算をしたり、図を描いたりするとますます不思議が増えたりします。それをまた調べていくことの面白さ・楽しさをみなさんもぜひ体験してほしいものだと思います。それが一人でできるようになれば見たことのない問題に出会っても困ることがなくなります。いよいよ目の前にせまってきた入試改革で求められる学力はそういう力なんです。
今回は少し長くなってしまいました。最後までおつきあいいただきましてありがとうございました。
20/10/13
20/06/24
20/04/22
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最近スーパームーンってよく聞きますよね。私は最初アニメか何かかと思っていました・・・こうまでひんぱんに言われるとありがたみがないなぁ・・・なんて思いつつもつい見てしまいます(^_^;)
先日の1月2日もスーパームーンでした。ただスーパームーンには正式な定義がないようです。天気予報なんかで明日(今日)はスーパームーンです。月が大きく見えますよ、くらいでスーパームーンとは何なのかを知らないままに単に月が大きく見える日だと思っていました。
ところが、スーパームーンの翌日の方が大きく見えることがあったので不思議に思い調べてみました。
月が地球の周りを公転してるのは知ってますよね。その軌道は円ではなく楕円です。少し難しい話になりますが、ここを押さえておかないと話が見えなくなりますので、まずは楕円について考えましょう。
みなさんは楕円の描き方を知ってますか? 楕円コンパスなんていう特殊な道具もありますし、今ならパソコンで簡単に描けますが、例えばノートに楕円を描こうとするとパソコンは使えませんし、特殊な道具は持ってませんよね。そういう場合は2本のピンと糸を使います。段ボールのようなものをページの下にはさむとやりやすいと思いますが、まずは2本のピンをブスっとさします。次に結んで輪にした糸(今回の場合なら20cm程度の糸を使うといいでしょう。折り曲げると9cmになるように輪を作ります)を2本のピンを囲むように置きます。そして鉛筆を常に糸がはるようにして線を描いていくと楕円のできあがりです。ピンを刺した位置のことを焦点といいます。また長い方の半径を長半径、短い方の半径を短半径といいます。
月の長半径は約384400km、短半径は約383800kmです。B5のノートいっぱいに描くとすると18㎝がぎりぎりのサイズですね。細かい計算は省略しますが、ピンとピンを5mmの間隔で刺すことになります。実はこうして描いた楕円は普通のコンパスで18cmの円を描いたのと見分けがつきません。0.3mm以上の太さなら線の中に長い方も短い方もおさまってしまうくらいの違いです。楕円とはいっても とても円に近い楕円なんです。え~~~!じゃあそんなに大きさが違うなんてことはないじゃない!って思いますよね。
実は見え方の違いは距離が変わることで視直径というものが変わるからです。例えば夜空を見上げるといくつもの星が見えます。月が一番大きくて、他の星は小さいですよね。でも実際の大きさは星の方がずっと大きいのはみんな知ってるはずです。月は一番近くにあるので大きく見えるだけです。こういう星など遠くにあるものの見かけの大きさを表す時に使うのが視直径です。月や星を円と考えてそれを円の直径で表したものです。
国立天文台のホームページによると、2018年最大の満月は1月2日の33分30秒角(約0.56度)、最小の満月は7月28日の29分25秒角(約0.49度)だそうです。どちらも1度もない小さな数字ですので図で見た方がわかりやすいですね。またもや国立天文台からお借りしてきました。これを見ると確かに違いますよね。
最大の時つまりスーパームーンの時は最小の時と比べて約14%大きく見え、明るさも約30%明るくなるのだそうです。確かにこれなら違いがわかりそうです。でもスーパームーンの時にしか見ないのであれば違いがわかりませんけどね。大きい時だけじゃなくって小さい時も見なくちゃだめですよ。
ただ、もうひとつ問題?があります。それは地平線からのぼり始めた月は大きく見え、空高くのぼっていくにつれて小さくなるように見えることです。ですから同じ日にスーパームーンを見たとしても見る時間によって感じ方が違ってしまうんです。これは「月の錯視」と言われるのですが、なぜ起こるのかは目の錯覚であること以外は完全にはわかっていないとのことです。
スーパームーンの説明に使われる図のほとんどははっきりした楕円で描かれているので、それを見るとそりゃこんなに違えば大きさが違って見えても当然だと思ってしまいます。でも自分で計算をしたり、図を描いたりするとますます不思議が増えたりします。それをまた調べていくことの面白さ・楽しさをみなさんもぜひ体験してほしいものだと思います。それが一人でできるようになれば見たことのない問題に出会っても困ることがなくなります。いよいよ目の前にせまってきた入試改革で求められる学力はそういう力なんです。
今回は少し長くなってしまいました。最後までおつきあいいただきましてありがとうございました。
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