ダンケルクと1メートル

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ダンケルクと1メートル

2017/12/19 ダンケルクと1メートル

映画「ダンケルク」がよかったという話を時々聞きます。ダンケルクというのはフランスの一番北にある港町です。その映画を私はまだ見ていないのですが、第二次世界大戦を描いた映画らしいです。でも私はダンケルクと聞いて一番最初に思い出すのは「1メートル」なんです。1メートルって誰でも普通に使ってますよね。じゃ1メートルってどうやって決めたの?となるとほとんどの人は知りません。そもそもそんなこと考えたこともないんじゃないでしょうか。でも、そこには壮大なドラマがあったんですよ。

 

長さの単位って昔は人の手足の長さで決められていました。例えば英語のfeet(フィート)って足を表すfootの複数形ですよね。何歩というんじゃなくて、例えば右足のつま先に左足のかかとをくっつけ、次には左足のつま先に右足のかかとを移動させる。それの繰り返しで長さを測ったっていう感じですね。でも、それだと人によって足の大きさが違うから正確ではありません(今ではちゃんと決められていますよ)。じゃあもっときちんとした長さとして地球の大きさを基準にしよう!っていうことで1メートルが決められたんです。フランス革命(1789年)の少し後のことです。北極点から赤道までの距離(地球の円周の4分の1)の1000万分の1というのが最初の定義です。今は光の速さに変わってしまいましたけどね。そのためには地球の大きさを正確に測らなければなりません。

 

地球の大きさを最初に求めたのはエラトステネスという紀元前200年頃の人です。もう2000年以上前のことなんですねスゴイ!! これも面白い話なのですが、長くなりますので今回はやめておきます。そのエラトステネスと同じ方法で1795年にフランスのダンケルクとスペインのバルセロナの長さを正確に測量したんです。平坦な地形ばかりではなかったのもちろんですが、スパイに間違えられたり、誤差があったりして本当に大変だったようです。

 

地球の表面には山や海溝があって凸凹していますが、地球の大きさからいえば無視できる程度です。当時は地球はほぼ完全な球だと思われていましたので、地球の全周は40000kmぴったりだったわけです。ところが今は様々な観測技術・測量技術が発達していますので赤道の周りが約40075km、北極・南極を通る円周が約40008kmということです。赤道周りの方が大きいのは地球の自転による遠心力のためです。でも、今から200年以上前にこれだけの測量ができたことはスゴイ!ですね。日本はまだ江戸時代ですよ。

 

江戸時代といえば、日本で最初に正確な地図を作った人として伊能忠敬のことを習いますよね。でも彼は本当は地図を作りたかったわけではなくって、地球の大きさを求めたかったんです。理科や社会には掘り下げると面白い話がたくさんあります。そういうことを自分で調べて、まずは好きになると理科や社会が好きになるかもしれませんよ。

 

 

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