今日のアハ体験

録画してあったドラマを見ていた時のことです。「ご寮さん」という言葉が出てきました。その時、私の頭の中にビビビっと電気が流れました。若い人たちにはあまりなじみのない言葉だと思いますが、大阪の商家では戦前くらいまで若奥さんのことを「ごりょんはん」、娘さんを「いとはん」、「こいさん」と呼んでいました。落語が好きな人は聞いたことがあるんじゃないかな？　その「ごりょんはん」と「ご寮さん」が結びついたのです。

話が少しはずれますが、最近よく耳にするアハ体験は少し間違った意味で使われているように思います。「アハ」は英語の「aha!」あるいは「a-ha!」から来ているのだと思います。日本語にすると「あ！そうか！」「あ！わかった！」という感じです。理解できたり、見つけることができた驚きや喜びを表しています。ですから数学の問題が解けた時というより、解き方がわかった時に感じる「ひらめき」の感じです。解き方さえわかれば後は計算という作業ですからね。

これは勉強だけでなくスポーツでも楽器演奏でも料理でもなんでもありますよね。自分のできないことを上手な人にコツを聞いたとします。Aさんは「〇〇みたいな感じだよ」、Bさんは「△△って雰囲気で」・・・というようにみんな違ったことを言っているように感じます。でも、ある時ふとコツがつかめます。その時に〇〇も△△も、ああそういうことだったんだぁとわかります。あの感じがaha!なんです。

この時、脳の中ではそれまで別々だったことがつながって新しいネットワークが生まれたんです。これは自分の脳の中で起こることですから自分でとことん考えたり、くりかえし工夫したりしなければいけません。他人はアドバイスはできても　あなたの脳の中を直接いじることはできません。勉強でもスポーツでもコツをつかむためには自分で努力することが大切なんですよ。